~親子でポケカを楽しむはずが、勝ちを求めすぎてしまった日々~
こんにちは!親子でポケカを楽しむ「親子のポケカ部」、部長のありしゃん(10歳)と、部員のぱぱさんです。
今日は、ポケモンカードを通じて親子で深く関わるなかで、「勝ちたい気持ち」が強くなりすぎて、子どもの気持ちを置き去りにしてしまった、そんな私の失敗談をお話しします。
同じようにポケカを楽しむ親御さんに届いてほしい。勝つことだけがすべてじゃない。
子どもの「好き」「楽しい」気持ちを守ることこそが、親子でポケカを楽しむ一番のコツだったと、今なら胸を張って言えます。
目次
チャンピオンズリーグ福岡へ!夢の舞台が決まった日
2024年2月、息子・ありしゃんがポケカを始めてから7ヶ月目。CL福岡(チャンピオンズリーグ福岡)のジュニア部門に見事当選しました。
「うわぁ!やったー!ぼく、CL福岡に出られるの!?」
通知が届いた瞬間、ありしゃんは部屋中を飛び跳ねて喜びました。ポケカの強者たちが全国から集うこのチャンピオンンズリーグという大舞台に、自分が出られるなんて。
正直、私も涙が出そうでした。「よくここまでがんばったな」と。
でも──その日から、私のなかにある**「勝たせたい」という気持ち**が、静かにふくらみ始めていたのです。
練習の日々、親の期待が重くなる
CL福岡まで1ヶ月と少し。家の中は練習ムードに包まれていました。
ありしゃんが使っていたのは「ロストギラティナ」デッキ。ジムバトルでも何度か優勝経験があり、本人も自信を持っていました。
けれど、ぱぱさんは「全国大会なら、もっと練習しなきゃ勝てない」「細かいミスは許されない」と思うようになっていました。
■変わっていく親子バトルの空気
もともとは、夕食後にリビングでワイワイやっていたポケカ練習。
ぱぱさん「ありしゃんのギラティナきた!ドロー!次は、」
ありしゃん「やったー!ぼくの番ね!」
そんな笑い声にあふれていたのが、だんだんと変わっていきました。
- ありしゃん「もう勝てそうにないから降参してもいい?」
→ぱぱさん「大会では、最後まで諦めないことが大事だよ」 - ありしゃん「エネルギー…やっぱりヤミラミじゃなくてギラティナに貼りたかった…やりなおしていい?」
→ぱぱさん「やり直しはできない。CLでは通用しないから」
ありしゃんは、しだいに黙ってプレイするようになりました。
「なんか…ポケカ、おもしろくない」
親子バトルが終わったある日、ありしゃんがぽつりと言いました。
ありしゃん「なんか、最近ポケカおもしろくない…」
ぱぱさんは、その一言に雷が落ちたような気がしました。
子どもにとってのポケカは、なにより「楽しい」遊びであるはずなのに。
ぱぱさんは「勝ってほしい」という気持ちが先行しすぎて、ありしゃんの「楽しい」を奪っていたのです。
妻の言葉が胸に刺さる
その夜、妻がぱぱさんに言いました。
「もっと前みたいに楽しく笑いながらやれば? 勝ち負けだけが大事じゃないよ。大人じゃないんだから」
そのとき、ようやくぱぱさんは自分の過ちに気づきました。
ぱぱさんが見ていたのは「ありしゃんを勝たせたい」という自分の理想であって、ありしゃんがどんな気持ちでポケカをしているかを考えていなかったのです。
デッキの選択にまで口出ししてしまった
さらに、CL福岡ではEレギュレーションが終了し、「バトルVIPパス」「頂への雪道」といったロストギラティナの主力カードが使えなくなっていました。
ぱぱさんは焦りました。
「これじゃ勝てないんじゃないか…」
「ギラティナはもう厳しい…」
そんな不安から、つい言ってしまいました。
ぱぱさん「ねぇ、ありしゃん、勝つためにはギラティナじゃなくて、リザードンとか別のデッキにしない?」
まっすぐなまなざしで
その瞬間、ありしゃんは私をじっと見て、こう言いました。
「ぼく、ギラティナでCLに出たい。ギラティナで勝ちたいの!」
ありしゃんの目はまっすぐで、強くて、泣きそうなほど純粋でした。
ありしゃんにとってポケカとは、「好きなポケモンと一緒に戦える時間」。ただ強いからじゃない、自分が心から好きなギラティナと一緒に、夢の舞台に立ちたかったのです。
ついに迎えた大会当日──
2024年2月18日、CL福岡当日。
早朝から博多駅に向かう電車の中、ありしゃんは黙ってカードを眺めていました。いつもはしゃいでいるのに、今日はどこか神妙な顔。
ぱぱさん「ありしゃん、緊張してる?」
ありしゃん「うん。でも楽しみ!僕、勝てるかな?」
ありしゃんのこの一言が、CL福岡に参加できる期待とプレイヤーとしての勝負に望む緊張のすべてを物語っていました。
■大会会場の熱気と感動
会場には、全国から集まったプレイヤーたち。ジュニア部門の子どもたちは、みんな目を輝かせていました。
「がんばってね」「楽しんでおいで」「いつも通りで大丈夫だよ」
ぱぱさんは、ありしゃんの背中をそっと押して、選手入場口でグータッチをして送り出しました。
チャンピオンズリーグでは、子供もポケモンカードジュニアの競技選手です。
選手入場口から、ありしゃんが自分の競技卓に向かう姿を遠目に見て、過酷な勝負の世界に挑んでいる。
たとえ勝てなくてもいい。いや、勝ち負けよりも、今この瞬間を楽しんでほしい。
でも、ありしゃん勝ってほしい、、、!
結果よりも大事なこと
初戦の対戦のあと、走って保護者席に戻ってきたありしゃんの顔は、寂しげでした。
「ぱぱ、負けた、、、パオジアンだった。相手が毎ターンサポートのカイ使って、、、」
私も自然と暗くなっていました。
「大丈夫だよ。次の試合もギラティナと一緒に、思いっきり戦えるんだよ!」
それだけでしか言えませんでした。
ありしゃんは、次の試合に笑顔で向かいました。このチャンピオンズリーグという貴重な大会と1日を楽しむ気持ち。
スタートデッキからポケカバトルを初めてから数ヶ月で競技として勝ち負けの世界に挑んだ息子。
競技として勝ち負けの体験が、「自分が勝てば相手は負け。」
だからこそ「相手を尊重して思いやる」という人間力を成長させてくれました。
あの日の失敗がくれた、かけがえのない気づき
「勝ってほしい」という気持ち自体は、親として間違っていなかったと思います。
けれど、それが子どもの気持ちを置き去りにしてしまったなら、それはただの押しつけ。
大切なのは、子どもが自分の好きなことを大切にして、自信をもってやり抜けること。私は今回の体験で、深くそう感じました。
最後に:これからも「応援者」であり続けたい
ポケモンカードは、ただのカードゲームではありません。
それは、**親子が向き合い、心を通わせる“魔法の時間”**をくれるツールです。
■ポケカがくれた親子の会話
以前の私たちは、日々の忙しさに流されて、学校のこと、友だちのこと、将来のこと──じっくり話す機会はあまりありませんでした。
でも、ポケカを始めてから、自然と会話が増えました。
「今日はジムバトルでどんな人と戦ったの?」
「このカードってどうして入れたの?」
デッキを一緒に考えたり、対戦の振り返りをしたり。何気ない日常に、会話と笑顔が増えていったのです。
■一緒に目標に向かう時間の尊さ
「CL福岡に出たい!」
「次はこのカードで戦いたい!」
ありしゃんが目標を口にしたとき、私は本気で応援しようと思いました。
目標があると、人は変わります。ありしゃんは毎日コツコツと練習し、知らないカードの効果も自分で調べて覚えるようになりました。
私は、その姿をそばで見守れることに、幸せを感じました。
親子で同じゴールを目指す──それは、スポーツでも勉強でもなかなか得がたい経験です。
■「子ども」ではなく「ひとりのプレイヤー」として
CL福岡の会場で、ありしゃんが真剣な表情で対戦に臨む姿を見たとき、私は胸がいっぱいになりました。
「あぁ、この子は、もうひとりのポケカプレイヤーなんだな」
それまではどうしても、「自分の子ども」として見てしまっていた部分があったのかもしれません。でも、その日だけは違いました。
ひとりのプレイヤーとして、自分で戦い、自分で選び、自分で負けて、自分で勝った。
その姿が、何よりも誇らしかったのです。
■「応援者」であるという選択
子どもが何かに本気で向き合おうとしているとき、大人は「導いてあげなきゃ」と思いがちです。
でも、それが時に、子どもの自由や楽しさを奪ってしまうこともある。
だから私は、これからは“導く親”ではなく、そっと支える「応援者」でありたいと思っています。
失敗しても、遠回りしてもいい。
好きなポケモンで、好きなように戦って、たくさんの経験を積んでほしい。
私はこれからも、ありしゃんのいちばんのファンとして、背中を押し続けたいと思います。
ずっと、ありしゃんが笑顔で「ぱぱさん、ポケカやろう!」と言ってくれるように。
私は、親として・プレイヤーとして、いちばん大切な「楽しむ気持ち」を忘れないようにしたいと思います。
そして、同じように親子でポケカを楽しんでいる皆さんに、この体験が何かのヒントになれば幸いです。

